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業界人インタビュー ~第3回 ブシロード 高田さん 3部~

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Hachiがカードゲーム業界で働く人にインタビューをして、生の声をお届けする「業界人インタビュー」のコーナー!!
今回は株式会社ブシロードに勤務されている高田さんにお話を伺いました!!
TCG制作現場で働きたい方の参考になれば幸いです。
※今回のインタビュー記事は3部構成になっています
第1部:http://tcgnoheya.net/column/7443/
第2部:http://tcgnoheya.net/column/7456/
第3部:本記事

第3部

Hachi 木谷前社長がインタビューで「2年以内に革命が起こせなければ、カードゲームは滅びる」と仰っていました。 デジタルカードゲームやアプリゲームが盛り上がっていて、いまや世界で最もアプリゲームにお金を使っている国が日本ですよね。 その中で、カードゲーム業界に革命・革新的なことが起きるとしたらどういう条件になってくるんでしょうか?
高田 コミュニケーションが重要な要素になるだろうなって僕は思います。
Hachi なるほどなるほど。
高田 いま子供が見ているコンテンツがYouTubeになろうがどうなろうが、結局、僕らが子供の時には、同じようにテレビがありました。今はそれがネットになりましたよねって話で。
今、子供たちの話って、僕らが子供のときに「昨日ドラゴンボール見た?」っていうのが「動画見た?」になっただけだと思うんですよね。だから話のきっかけっていうのが変わっているだけだと思ってます。
Hachi ツールが変わっただけ?
高田 そうですね。
Youtebeを見ている人って、単純に「こいつ友達にいたら面白そうだな」っていう人達の動画を見ているんだと僕は思ってるんですけど。
あとこいつと一緒に学校に行って、隣の席にいると面白そうだなとか。
で、カードゲームの話として考えると、実はここは変わらないところかなと思います。
僕が『ヴァイスシュヴァルツ』を「すごく良い!」って感じていたところが、『ヴァイスシュヴァルツ』をやってる奴と友だちになりたいなと思えることですね。「カードゲームに勝たなくていいや」と思ってる人とは対戦しても面白くないですけど、対戦するとどちらかが負けて悔しい思いをします。『ヴァイスシュヴァルツ』はゲームの勝ち負けが一方的にならないですし、勝ち負け以外にも話題をたくさん作れます。
『ヴァイスシュヴァルツ』を楽しく遊べる人となら、他のことでも楽しめるだろうなって。
「人を育てる」なのか、「人を選ぶ」なのかは分からないですけど、要は自分に合うコミュニティを見つけやすくするものとしてのカードゲームっていうのはあると思うんですよ。
このゲームをやってる誰かっていうのは、一緒に話しても面白そうだったりだとか。このゲームをやってるとツイッターとか、不特定多数の人たちと一緒に繋がれるだろうとか。そうした繋がりを作れる要素をどう作っていくかが大事なものになるんじゃないかなっていう感じはします。
Hachi やっぱりカードゲームって、コミュニケーションツールですもんね。
繋がり、大事です。
高田 そうは言っても、実際カードゲームの状況がやばいっていうのはありますよ。
Hachi えーっ、今すごくいい話だったのに(笑)!やばい要素ってどの辺ですか?
高田 僕もカードゲーム好きでカードゲームやってるし、簡単になくなるとは思ってないですけれども(笑)。
でも、カードゲームっていうジャンルじゃないにしても、コンテンツである以上、寿命はあると思うので。
昔面白かったテレビゲームがいまでも遊ばれていますか?って話と同じ話だと思います。

今後おそらく僕らが好きなカードゲームじゃないもの…例えばカードゲームを投げて遠くに飛んだ方が勝ちとか、「俺らが知ってるカードゲームじゃねぇっ!!」っていうようなものが流行る可能性もありうるかなと。
それが良いか嫌かでいうと、僕は個人的に嫌です。
それをカードゲームだと僕は呼ばない。
けど、カードゲームとしてダメかどうかでいうと、分からない。
カードゲーム業界の人間はカードゲーム好きなので、良くも悪くもそこに固執してるところがあって。
こういうカードゲームが出たら面白いだろうっていうのは、やっぱ経験が元になる。
13年カードゲームやってた人間が、20代、30代になってそういう商品を作った時に、「じゃあそれって誰にウケるの?」っていったら、それはやっぱ20代、30代にウケるゲームになっちゃうんじゃないかなって。
ここから先にもっと年齢層が低いところにカードゲームを広げて行こうっていうのが、簡単には出来ない状況になる可能性がある。
そういう意味でのヤバいですね。

「いつカードゲームっていう文化がなくなるか」っていう話ではなくて、文化として変わっていくというか。
僕自身もですけど、昔から「カードゲームが好きだ」って言っている人が一世代を作っている段階で、もうある意味で終わっているんじゃないかなって僕は思います。
Hachi なるほどー。これを「なんとかしよう」っていうのは、もう若い才能や新たなカリスマが目覚めるしかないような気がしてきますね。
高田 フフフ。若いかどうかだけではなく、才能は必要だと思います。
でも、「才能があって情熱があったら仕事ができる」っていうのは、僕は一側面としては正しいけど、実際は違うと思っていて。
今、才能や情熱は、仕事じゃない形でも解決できる世の中なんですよね。
才能ある人たちは仕事以外で、欲求を解決しちゃうと思うんですよ。
でも、大きい仕事は真面目な人間だったりだとか、やらなきゃいけないたくさんのことを仕事としてやる人達なしでは会社としてやっていけない。
そこは才能だけだと難しいです。
Hachi チームとしてどれだけ才能を発揮できるかが大事になってくる?
高田 革命クラスの話になると、ひとりではなくてチームで行動を起こす必要がどうしてもある。
地元のカードショップとかの集まりでもいいんですよ。 そこにカードゲームの事ずーっと考えてるヤベー奴が一人二人いて、そいつらをサポートできる人間がいたら、それこそ、その四人くらいでも革命って起こせちゃう世の中だと思うんですよね。
友だち同士でそういうチャンスもあると思うので、革命を起こす環境としても、カードショップは必要ですね(笑)。
カードゲームやりながら、「俺ならもっともっと面白く出来る」って思って、実際にやれる人間が集まれば、本当にあり得ると思います。
Hachi そろそろお時間が来てしまいました。
本日は本当にありがとうございました。
最後に、今、カードゲームを面白いと思っていて、今後仕事にしたいと思っている人に向けて、高田さんからアドバイスをお願いします。
高田 偉そうなことあんま言えないですよね(笑)
僕は「俺ならもっと面白いもん作れる!!」と思ってる人っていっぱいいると思ってるんですよ。実際、僕も入社する時そう思ってましたし。
ただ新しく面白いものを作る意識は必要です。『マジック・ザ・ギャザリング』めっちゃ好きですって言う人に商品を作らせたら、それは『マジック・ザ・ギャザリング』ができるんですよ。
そういう人たちは正直、別に求めてないと思うんですよね。
これから先の市場でも世の中でも、なんか納得いってないことがあれば、その人が思うように、面白く作ってほしい。 そしたら僕も「今こんな面白いゲームが今あるんだぜ!」って言いたいし、何より僕がそれを遊びたいなぁっていうのは思います(笑)
頑張ってください!!
Hachi 今回はありがとうございました!!
高田 ありがとうございます。


【アーカイブ】教えてHachi先生!!



kitsune_sml ライター:Hachi(ハチ)
 7歳からカードゲームに触れて育ち、それから20年以上、ありとあらゆるカードゲームで遊び続けている。20歳で某TCGショップにアルバイトとして入社。入社後は遊戯王部門責任者、フロアリーダー、ショップ店長を経験し現場から本部へ転属。スーパーバイザー兼営業として店舗の立ち上げや立て直し、イベントの企画立案・運営を担当した。
 現在は株式会社ウェッジホールディングスに転職、東南アジアの国々にカードゲームの楽しさを伝える事業を担当している。最近のブームは言葉が通じない相手とボディランゲージでカードゲームを遊ぶこと。
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