TCGのへや

業界人インタビュー ~第3回 ブシロード 高田さん 1部~

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Hachiがカードゲーム業界で働く人にインタビューをして、生の声をお届けする「業界人インタビュー」のコーナー!!
今回は株式会社ブシロードに勤務されている高田さんにお話を伺いました!!
TCG制作現場で働きたい方の参考になれば幸いです。
※今回のインタビュー記事は3部構成になっています
第1部:本記事
第2部:http://tcgnoheya.net/column/7456/
第3部:http://tcgnoheya.net/column/7467/

インタビューに答えていただいた方

名前:高田 敦行
年齢/性別:もう30代……/男性
所属/役職:株式会社ブシロード  ブシロードUSA担当
職歴:ブシロード入社後、『ヴァイスシュヴァルツ』『カードファイト!! ヴァンガード』『フューチャーカード バディファイト』等の開発を経て、現在は海外現地法人ブシロードUSAのマーケティングアドバイザーを担当する。
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第1部


Hachi インタビューを受けていただき、ありがとうございます。
今回のインタビューは、カードゲーム業界を就職の選択肢として考えてもらおうと企画しました。本日はよろしくお願いいたします。
高田 こちらこそ。
実際、僕も地方の人間だったので、やっぱり、どうやってカードゲームの仕事に就くのか分かんなかったですもんね。
Hachi やっぱり情報ないですもんねー。えっと、まず高田さんのことを聞かせてください。現在、カードゲーム業界の第一線で働かれてらっしゃいますけど、カードゲームを好きになったきっかけってなんですか?
高田 僕ら、『ポケモン』が流行ったのが小4の頃とかだったんですけど、その時に『ポケモン』のカードゲームを初めたのがきっかけですね。 今まで一番長くやっていたのも『ポケモン』カードです。中学までの6年間ぐらいやってて。
高校の時は受験もあってやってなかったんですけど、大学生になって、ルールを説明するアルバイトをメディアファクトリーさんでやってました。
キャラバンみたいな…各地方のイベントを手伝ったり、ルール説明するアルバイトがあったんですよ。
その募集を見て、受けてみて。
それで大学の二年間くらいは『ポケモン』カードのアルバイトをしていました。
Hachi その経験がきっかけで、カードゲーム業界に入ろうと思った?
高田 そうですね。
まあ、アルバイト以外でもカードゲーム自体は色々とやっていて。
大学でも結構やってたんですよ。
それで、特に何か専門的な知識があるわけでもなかったので、「やっぱりやりたいことをやろう」と思って。
マンガも好きだったので、出版社も回ったりしましたが、結局ブシロードに就職することができました。
Hachi 大学時代はどんなカードゲームで遊んでました?
高田 こういうのはちょっと言っていいのか分かんないですけど、友人間で(商品展開が)終わったカードゲームで安く売り出されていたものを買って、デッキ組むみたいなことをやってました。
実際やってみて、「なんでこのカードゲーム、終わっちゃったんだろう」みたいな話をする会とかやってましたね。今思うと、荒んだ遊び方だと思います。

カードゲームの仕事に就きたかったっていうのもあって、自分でカードゲームを作るんだとしたらどういう部分がよくて、どういう部分がダメだったのかっていうのを知りたくて。とりあえず、もう片っ端からゲームやってみようっていうのが目標でした。

他のゲームとかでも、「どういうものが面白いのか?」っていうのはブシロードに入社する前から考えてました。
それをレポートにまとめて、ブシロードの就職の時に企画書みたいなのを出しましたね。
これとこれを比較してこっちは面白くなかったっていうレポートではつまらないので、「どういうとこが面白いか?」っていうのをまとめて。
でも結局、カードゲームで面白いのはルールじゃなくて、対戦相手が面白いかどうかなんだなって結論に至りました。
Hachi カードゲームのレポートなのに、結論はルールよりも対戦相手が大事って結論になっちゃったんですか?
高田 そう。「こいつと遊んだら面白いな」っていう友人が「別ので遊ぼうぜ」っていうのがカードゲームだったらカードゲーム。テレビゲームだったらテレビゲームで面白いっていうのが結論でした。

ここで感じたのは、自分の中である種の…言い方が悪いですけど、当時のカードゲームに対する「怒り」みたいなのがあって。
Hachi ほう、怒り?
高田 例えば当時の『遊戯王』とか買ったりすると…まあ、そのころのイメージですよ。お金をかけていたら強いデッキができる。でも「それって本当に、人を仲良くするための道具なの?」っていう考えがちょうどカードゲーム業界にあって。
その当時のカードゲームは『遊戯王』でも、『マジック・ザ・ギャザリング』でも、勝てる人が絶対勝てるゲームだったんですよ。
勝てる人が勝てるゲームだったら将棋でいいじゃないですか。
それではダメだという言い方を、あえてするんですけど…
お金をかけている人が勝つ、「勝てないのは、お金をかけていない人が悪い」みたいな、弱い人を悪者にする風潮があったように見えたんですよ。

ブシロードを受けるからには、『ヴァイスシュヴァルツ』をやってみないと思ってやってみたら、これはさっきの問題点を解決してる!って感じて。
溜飲が下がったってわけじゃないですけど、「あ、これはホントに面白いゲームだな」っていうのは思いましたね。
言っちゃえば『ヴァイスシュヴァルツ』はどんだけ強い人でも負けることがあるゲームだったんですね。
なので、それはまぁ、どれだけお金かけようが、どんなプレイングをしようが、勝率を上げれても、最後には運の要素がある。

どれだけお金や技術を磨いても、勝てないことがあるという部分は、その頃の僕には衝撃でした。
カードゲームを「競技」ではなく「コミュニケーションのツール」と気付いて、すでに商品化しているのは凄い!と純粋に思いました。
Hachi 『ヴァイスシュヴァルツ』がきっかけで現在のブシロードに入社を決意された感じですか?
高田 最後の入社の決意についてはそうですね。まぁ、自分はカードゲームが好きだったんで、就職活動では、カードゲームをやっているであろう会社っていうのを片っ端から受けてました。
たまたまやっていた(ブシロードの)イベント会場に行ってみたんです。
そこで、「すいません。就職でカードゲームの会社を探してるんですけど」って尋ねたら、「後で募集するから待っててね」と教えてくれたので、応募しました。

あとは新卒で普通に入ったんですよ。
ブシロードの最初の公募で入ったのが僕らの代です。
タイミング的には『ヴァイスシュヴァルツ』が発売してすぐ。
『リトルバスターズ!!』が出た時ぐらいかな。
Hachi 新卒で入社されて、就職された後はどういう仕事から始められたんですか?
高田 そうですね。
ここが一番みなさんに勇気を与えられるかもしれないですけど…
僕、大学卒業できなかったんですよ
Hachi えっ!! そうなんですか!?
高田 就職の時に「ちょっとこれから先どうなるか分からないですけど」って言って就職受けて、結局卒業できなかったんです。
で、木谷社長に「すみません。卒業できなかったんです」って伝えました。
そうしたら、木谷社長が融通利かせてくださって。

僕、広島の大学だったんですけど、九州中四国の営業担当ということで、九州にあるG-PROJECTさんっていうカードショップで近くに部屋を借りさせてもらって。
まぁ、要は住み込みで、一週間のうち半分をそこで働くことになったんです。
Hachi おお、すごい!!
高田 残りの半分を九州とか広島、山口の担当をさせてもらって。
営業の手が空いてる時とかに広島に帰って大学行っていいよって。
ただ、そのときはまだブシロードっていう会社に人が少なくて…開発に人手がほしいって話だったんで、 入社半年ぐらいで東京に来ることになりました。

東京に行ったら(講義に)出席するのはまぁ無理なんでっていう話で、学費だけ払ってそのまま大学に籍だけ置いて。
結局卒業するのに8年かかりました。MAXです。
で、東京に来てからは開発の仕事になりました。

でも、当時は開発以外にもすごく色んなことをさせてもらって。
「ユーザーさん増やすためには、やっぱ遊べる場所ないとダメだな」っていうことで、九州で「TCGおこし」っていう百人規模位のイベントをカードショップさんと協力してやらせてもらったり。

僕地元が広島だから痛感していたんですけど、カードゲームのイベントって全然地方でやらないんですよね。
市場規模的に言うと東京と比べると地方の方が人口少ないし、「まぁやらなくていいじゃない?」って意見があって。東名阪だけでやるとか、あっても岡山とか福岡とか。
そこ以外でも何かしらのフォローをしないと、地方にいるだけで損だったり、カードゲームをやる理由がなくなっちゃうっていうのがあって。

「じゃあ、まずは遊べるところを」ってことで、「TCGおこし」をしました。
地方を盛り上げるために、ユーザーさんや各地のイベント、カードショップさんを含めてフォローするのが必要だと思いました。



第2部:http://tcgnoheya.net/column/7456/へ続く


【アーカイブ】教えてHachi先生!!



kitsune_sml ライター:Hachi(ハチ)
 7歳からカードゲームに触れて育ち、それから20年以上、ありとあらゆるカードゲームで遊び続けている。20歳で某TCGショップにアルバイトとして入社。入社後は遊戯王部門責任者、フロアリーダー、ショップ店長を経験し現場から本部へ転属。スーパーバイザー兼営業として店舗の立ち上げや立て直し、イベントの企画立案・運営を担当した。
 現在は株式会社ウェッジホールディングスに転職、東南アジアの国々にカードゲームの楽しさを伝える事業を担当している。最近のブームは言葉が通じない相手とボディランゲージでカードゲームを遊ぶこと。
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