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【たけいのMTGデッキ紹介】デッキレシピと大会レポート―第3回

 こんにちは。「TCGのへや」スタッフの「たけい」です。
 今回のコラムでは11月15日(日)に「晴れる屋トーナメントセンター」様で開催された「BIG MAGIC Invitational」予選のレポートをお届けします。大会は127名の参加者が集まり、スイスドロー7回戦で行われました。グランプリ神戸の開催が翌週に控えていたこともあり、調整のために参加したプレイヤーも多くみられました。なかには人気のプロプレイヤーの姿もあり、彼らの周りには、そのプレイを参考にしようとする多くのギャラリーが集まっていました。

■1回戦(VS アブザンアグロ)

 ゲーム1

 こちらは1ターン目≪血に染まりし勇者≫からスタート。順調な立ち上がりに安心したのもつかの間、相手が1ターン目に≪始まりの木の管理人≫をプレイした瞬間に、苦手なアブザンであることが判明します。

 相手はさらに3ターン目に≪先頭に立つもの、アナフェンザ≫をプレイして、こちらの死亡時誘発能力を封じてきます。

 こちらも≪ナントゥーコの鞘虫≫をプレイして対抗します。除去カードがなければ、これで攻撃が止まると思いましたが、相手は迷わずに攻撃してきました。

 手札に除去カードがあるのは明らかですが、≪先頭に立つもの、アナフェンザ≫を除去しない限り、勝ち目がないので≪ナントゥーコの鞘虫≫で≪先頭に立つもの、アナフェンザ≫をブロックして、クリーチャーを生け贄に≪ナントゥーコの鞘虫≫を4/4にパンプアップしました。しかし≪アブザンの魔除け≫で≪ナントゥーコの鞘虫≫を追放されてしまい、そのまま戦況を返すことができずに負けてしまいました。

 たけい:0勝-1勝:相手

 ゲーム2(先攻)

 先行のたけいは、1ターン目から3ターン目まで順調にクリーチャーをプレイして、序盤から攻勢に出ます。

 相手は、初動が2ターン目の≪始まりの木の管理人≫。3ターン目にこれを自身の能力で3/3にして攻撃と、1ターンずれた動きでしたが、4ターン目に≪ゼンディカーの同盟者、ギデオン≫をプレイしてきました。

 このプレインズウォーカーを早々に除去しないと勝ち目がないので、全力でこれを攻撃して除去しました。そして≪マラキールの解放者、ドラーナ≫で相手への攻撃を開始します。

 ≪マラキールの解放者、ドラーナ≫が自身の能力で毎ターン強化されますが、相手が2ターン続けてプレイした≪包囲サイ≫で、相手のライフが減りません。

 そうしているうちに相手の≪始まりの木の管理人≫が8/8「絆魂」「トランプル」になり攻撃してきました。

 こちらの戦場は5/6の≪マラキールの解放者、ドラーナ≫、≪捕らわれの宿主≫、2枚の≪地下墓地の選別者≫と1/1トークンが4枚。対して相手は攻撃中の≪始まりの木の管理人≫、≪先頭に立つもの、アナフェンザ≫と2枚の≪包囲サイ≫。相打ちすることも可能ですが、ここでクリーチャーを失ってしまうと、次のターンの勝ち目がなくなってしまうのでブロックせずに攻撃を通すことにしました。

 ≪始まりの木の管理人≫の「絆魂」でライフはたけい4に対し相手は16に。すべてのクリーチャーで攻撃してもダメージが足りないので、最後のドローで除去を引かないと負けてしまいます。その最後のドローは、≪残忍な切断≫。これで相手のブロッカーを1枚除去して、すべてのクリーチャーで攻撃。≪マラキールの解放者、ドラーナ≫が「先制攻撃」で5点のダメージを与えて能力が誘発。すべての攻撃クリーチャーに+1/+1カウンターが置かれ、ブロックされなかった≪捕らわれの宿主≫と4枚のトークンが11点のダメージを与えて、16点をピッタリ削り切って勝利しました。

 たけい:1勝-1勝:相手

 ゲーム3(後攻)

 双方1回ずつマリガンしてのスタート。

 先攻の相手は3ターン目まで第1ゲームと同じ最高の立ち上がり。

 相手は≪始まりの木の管理人≫と≪先頭に立つもの、アナフェンザ≫で攻撃。戦闘で相手のクリーチャーを破壊できないたけいは、攻撃の度に+1/+1カウンターが置かれる≪始まりの木の管理人≫をブロックして、クリーチャー除去を引くまで耐えるしかありません。

 なんとかクリーチャーを追加して耐えますが、この2枚のクリーチャーに対する回答を引くとこができず、負けてしまいました。

 たけい:1勝-2勝:相手

 初戦でいきなり苦手なアブザンに当たり、早々に負けてしまいました。予想はしていましたが、改めて会場を見回すと、大多数の参加者がアブザンを使用していました。この大会の上位8名のうち5名がアブザンを使用していたことからも、その使用率の高さと強さがわかります。

■2回戦(アブザンアグロ)

 ゲーム1

 相手は1ターン目に≪始まりの木の管理人≫をプレイし、3ターン目に≪荒野の後継者≫。4ターン目に≪先頭に立つもの、アナフェンザ≫をプレイして≪荒野の後継者≫の「獰猛」を達成させて3/3クリーチャー2枚で攻撃してきます。

 こちらも2ターン目に≪搭載歩行機械≫を召喚。3ターン目に≪ナントゥーコの鞘虫≫を追加して対抗しますが、≪搭載歩行機械≫が≪先頭に立つもの、アナフェンザ≫の能力で役に立ちません。

 さらに、≪アブザンの魔除け≫と≪ドロモカの命令≫でこちらのクリーチャーを綺麗に除去されてしまい、3枚のクリーチャーに対処できず負けてしまいました。

 たけい:0勝-1勝:相手

 ゲーム2(先行)

 先攻を選択するものの、痛恨のダブルマリガン。≪ズーラポートの殺し屋≫、≪前哨地の包囲≫、土地3枚の手札を仕方なくキープしてゲームを開始します。途中で良いカードを引くとこもなく2ターン目≪ズーラポートの殺し屋≫、4ターン目に≪前哨地の包囲≫を「カン」のモードでプレイと最初の手札通りの動き。

 相手は土地が2枚で止まっているものの、2枚の≪始まりの木の管理人≫が3/3になって攻撃してきます。なんとかして除去を引きたいが、引くのは土地ばかりで2枚の≪始まりの木の管理人≫を止めることができません。相手は止まっていた土地を引き出すと、戦場に≪先頭に立つもの、アナフェンザ≫を追加してビートダウンを加速させます。マナもクリーチャーも十分に用意できた相手は、一度使った≪残忍な切断≫を≪棲み家の防御者≫の能力で墓地から回収して、こちらのクリーチャーをいつでも除去できる形になりました。

 こちらもブロック用にクリーチャーをプレイして耐えようとしますが、先ほど回収した≪残忍な切断≫で≪ナントゥーコの鞘虫≫を除去されてしまうと、≪棲み家の防御者≫を止められるクリーチャーがいなくなってしまい、ライフを削り切られてしまいました。

 たけい:0勝-2勝:相手

 早々に2敗してしまい、このあと全勝しても上位には入れなくなってしまいました。いつもならならすでにドロップしているところですが、もう1試合出ることにしました。

■3回戦(バントビート)

 ゲーム1

 1ターン目≪血に染まりし勇者≫、2ターン目≪捕らわれの宿主≫と順調にクリーチャーを展開しますが、2枚の≪絹包み≫で続けざまに除去されてしまいます。しかし先に≪絹包み≫を使ってもらえたので≪ナントゥーコの鞘虫≫を戦場に残すことに成功します。

 ですが相手が4ターン目に「龍」のモードでプレイした≪城塞の包囲≫によって、攻撃の前にクリーチャーがタップされてしまい≪ナントゥーコの鞘虫≫で攻撃することができません。≪ナントゥーコの鞘虫≫で攻めることが難しいので、クリーチャーの数を増やして対抗します。

 その間に相手は≪層雲の踊り手≫でこちらのライフを攻め、さらに≪ゼンディカーの同盟者、ギデオン≫をプレイします。

 このプレインズウォーを放置するとゲームが終わってしまうので、すべてのクリーチャーで攻撃してなんとか≪ゼンディカーの同盟者、ギデオン≫を除去します。

 しかし相手は≪ヴリンの神童、ジェイス≫と「変異」クリーチャーをプレイして新たな脅威を突き付けてきます。すぐさま≪束縛なきテレパス、ジェイス≫に「変身」して[-3]能力で墓地の≪オジュタイの命令≫をドローとリアニメイトで使い、墓地の≪層雲の踊り手≫を復活させます。

 ≪束縛なきテレパス、ジェイス≫を何とか除去しますが、その間に相手は「飛行」クリーチャーでこちらのライフを攻め続けてきます。この「飛行」クリーチャーが止まらず、相手のライフが8に対してこちらのライフは1に。相手にターンが返ると負けてしまいますが、すべてのクリーチャーで攻撃すれば削り切れそうです。しかし負けが確定している状況でターンが返ってくるわけがありません。

 たけいがこのターンで引いたカードは≪ズーラポートの殺し屋≫。相手が≪オジュタイの命令≫を持っていると打ち消しと回復で負けが確定するので、これをプレイせずに攻撃を宣言。≪オジュタイの命令≫を手札に持っていた相手は回復とドローで使ってライフを守ります。しかし≪オジュタイの命令≫を使ってくれたので、戦闘後のメインフェイズで≪ズーラポートの殺し屋≫をプレイ。≪ナントゥーコの鞘虫≫でクリーチャーを生け贄にしてライフを削り切って勝利しました。

 たけい:1勝-0勝:相手

 ゲーム2(後攻)

 先攻の相手は2ターン目に≪道の探求者≫を召喚。3ターン目に≪白蘭の騎士≫を召喚して、能力でデッキから≪平地≫を出し、手札からプレイした土地と合わせて4マナに到達。≪絹包み≫でこちらのクリーチャーを除去し、≪道の探求者≫の「果敢」を誘発させて攻撃してきます。さらに4ターン目には≪ゼンディカーの同盟者、ギデオン≫を追加しました。

 こちらは2枚の≪血に染まりし勇者≫しか展開できず、攻撃と「強襲」を繰り返すばかり。引いてきた≪ナントゥーコの鞘虫≫をプレイしようとしますが、≪オジュタイの命令≫で打ち消されてしまい、≪ゼンディカーの同盟者、ギデオン≫を止めることができずに負けてしまいました。

 たけい:1勝-1勝:相手

 ゲーム3(後攻)

 たけいの先攻。しかし、手札に4マナのカードを抱えたまま、土地が3枚で止まってしまいます。こちらの土地が止まっている間に、相手は順調にクリーチャーをプレイして攻撃してきます。何とか4枚目の土地を引き≪前哨地の包囲≫を「カン」のモード出して、除去カードを引こうとするものの、一向に除去カードを引くことができません。

 ≪地下墓地の選別者≫と≪ナントゥーコの鞘虫≫で地上のクリーチャーは止まったものの、「飛行」クリーチャーを止めることができず、ダメ押しに≪風番いのロック≫を追加されてしまいます。この後も「飛行」クリーチャーを除去することができず負けてしまいました。

 たけい:1勝-2勝:相手

 3連敗でドロップです。最大勢力であるアブザンに弱いデッキを持ち込んでしまったので、ある程度予想できる結果でした。今後もハスクデッキで大会に参加するとしたら、前回紹介した4Cハスクか、4Cラリーを使います。このデッキを使う上で重要なトークンと≪先頭に立つもの、アナフェンザ≫に関するルールを間違えていたので、プレイも変わってきます。

■終わりに

 12月11~13日にスペイン・バルセロナで行われるWMCを控えていますが、グランプリ神戸が終わり現環境でのスタンダードはいったん落ち着きました。ですが、来年開催されるグランプリ名古屋での不戦勝を賭けたGPTの開催期間も残りわずかとなっているので、12月はいくつかのGPTに参加する予定です。次こそはいい結果の大会レポートが掲載できるよう、腕を磨いて挑みます。



■用語集


獰猛:「獰猛」は特定の能力ではなく能力語です。能力語とは同様の機能を持ったカードを区別できるようにするために与えられたキーワードですが、ルール上の意味は持ちません。『獰猛―』と記述されているカードは、あなたがパワー4以上をコントロールしている場合、『獰猛―』以降の能力が有効になります。

強襲:「強襲」は特定の能力ではなく能力語です。能力語とは同様の機能を持ったカードを区別できるようにするために与えられたキーワードですが、ルール上の意味は持ちません。『強襲―』と記述されているカードは、このターン、あなたが1体以上のクリーチャーで攻撃していた場合、『強襲―』以降の能力を使えます。

パンプアップ:クリーチャーのパワー、タフネス、またはその両方を上げる能力のこと。

モード:複数の選択肢を持つ呪文や能力を持ったカードの選択肢のこと。スタンダードでは各種命令や魔除けなどがモードを持ちます。

ドロップ:大会を棄権すること。

ルールの間違え:≪先頭に立つもの、アナフェンザ≫で追放するカードはクリーチャー・カードなので、カードではないクリーチャー・トークンは墓地に置かれます。その後状況起因効果によってゲームから追放されますが、死亡した時に誘発する能力は誘発します。

WMC:ワールド・マジック・カップの略。各国の代表チームが集まり世界最強国を決めるイベント。参加するには参加資格を得たうえで、各国で3回行われる予選で優勝するか、その国のプロポイントで1位になる必要があります。昨年行われたWMCには世界72か国から選手が集まり、総額250,000ドルもの賞金が用意されました。

プロポイント:プロツアー・ポイントの略。世界各国で行われているグランプリや、プロツアーに参加すると、順位に応じて得られるポイントのこと。このポイントをもとに、プロプレイヤー・オブ・ザ・イヤールーキー・オブ・ザ・イヤーなどが決められます。またこのポイントに応じて特典が得られるプロプレイヤーズ・クラブという制度があり、多くのプロプレイヤーがより上位のレベルを目指してプロポイントを集めます。

GPT:グランプリ・トライアルの略。優勝者には該当するグランプリでの不戦勝が与えられます。

グランプリ:世界各国で行われる公式イベントのひとつ。競技性の高いイベントですが、プロツアーなどと異なり参加に特別な権利は必要ありません。本戦イベントのほかにも様々なサイドイベント、アーティストサイン会、初心者講習会などが開かれていて、一日中マジックで遊べるお祭りのようなイベントです。上位4名には賞金のほかにプロツアーへの参加権と往復の航空券が与えられます。

プロツアー:年に数回行われる招待制のイベント。参加するには各国で開催されている予選を抜ける、グランプリの上位に入賞する、プロプレイヤーズ・クラブのシルバー・レベル以上になるなど厳しい条件が必要です。

プロプレイヤー・オブ・ザ・イヤー:ひとつのプロツアー・シーズンで最も多くのプロポイントを得たプレイヤーに与えられる称号のこと。

ルーキー・オブ・ザ・イヤー:過去にプロツアー世界選手権WMC本戦に参加したことのないプレイヤーの中で、トーナメント・シーズンの終わりに最もプロポイントを得たプレイヤーに与えられる称号のこと。

プロプレイヤーズ・クラブプロポイントを獲得したプレイヤーに、レベルに応じた特典を用意する制度。ひとつのシーズン中に獲得したポイントに応じて、プラチナ、ゴールド、シルバーにレベル分けされます。プラチナレベルでは、すべてのプロツアーへの参加権のほか、大会で獲得できる賞金のに加えて3000ドルの参加褒章が与えられるなど、さまざまな特典が用意されています。

世界選手権:世界で24名しか招待されない、世界最高峰のトーナメント。優勝賞金と副賞も最高レベルですが、参加者全員に往復の交通手段、滞在中の宿泊施設、食事、使用するサプライ品が提供されるなど、その参加難易度相応の待遇を受けることができます。

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